Your are here: Home // Archives for 4月, 2020
築土構木ー環境装置としての首都高再生ー
B4の川上です。卒業設計の梗概を掲載致します。 1.背景 1-1 土木バッシング 近年の土木は人や自然に負荷を与える罪深き存在として批判の対象になっており、建築と区別し軽視され、地形をキャンセルする経済の道具として利用されている。 1-2 矛盾を抱える近代土木 批判の対象である一方で、土木は常に人々の生活に必要不可欠であるという事実が存在する。 ①都市のあらゆるインフラを支えている。 ②土木の語源に築土構木という中国の言葉がある。それは、本来土木が自然と共生する人々の生活を守る利他的行為であるということを示しており、現在区別される建築と土木を包括していたと考えられる。 1-3 土木に罪はあるか 経済に従順に対応している土木そのものには罪はないのではないか。建築を通して近代土木と人々の関係性を再構築し土木の矛盾をほどくことを考える。 2.敷地 2-1 日本橋 今回敷地と...
寄生されるシブヤの繭―身体体験で開拓する都市の道―
B4の林です。卒業設計の梗概を掲載いたします。 1背景 1-1シブヤの歴史 歴史にみる渋谷はカルチャーの中心地であり、路上では多様な異種の要素が混在し、計画性とは切り離された自然空間のような領域、路地が存在している。この都市は異質な要素の集合が全体として渋谷らしさを生み調和している街である。個々の要素、意図が集積し社会現象として現れる劇場性を帯びている。都市の形成の仕方や街の中の活動、人の自由さを吸収する性質がシブヤを草原のような自然環境に近い状態にし、街全体を遊び場と捉え集う。潜在的に人びとをつなぎとめていく性質を生んでいる。人が都市にタグ付けし接続状態であることから居場所となれるような場所が発生している。 1-2シブヤの均質化 現在、度重なる開発を経て新たな姿に更新され続けた結果、シブヤの新たな一面が姿を強めている。その強力な要素であるパッケージ化された巨大施設建築群は、どの都市にも出...
「pH」−Healing Spaceとしての宮下公園−
B4の寺島です。卒業設計の梗概を掲載いたします。 1.背景・目的 都市空間として高い潜在的な可能性をもつ、宮下公園。渋谷の谷の一番底、明治通りと山手線という東京を代表する交通インフラに挟まれた線路脇の細長い敷地に、自動車駐車場の屋根(人工地盤)が、分厚い土を載せて立派なケヤキを育み、渋谷の商業施設の真ん中にありながら、緑の谷のようになっていた。そんなかつての宮下公園は現在、100年に一度と言われる渋谷の再開発の波にのみ込まれ、2020年6月に新たに開園予定である。商業施設として同調空間化する宮下公園を、かつてのように都市の中で「裏(リトリート)」として機能し、世代の違いを超えて受け継がれ、主体の違いを超えてその場所で共有される空間へと再構築したいと考える。 2.宮下公園の歴史 *表1参照 3. 提案 渋谷の近代化を支えてきたと言える1階部分の駐車場と地下を利用して、亡くなった人々を思う祈...