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現代建築レビュー2月号

B4新沼です。2023年6月19日に実施致しました、新建築2023年2月号の現代建築レビューを投稿します。

柚木:2月号で気になった建築は何ですか。

木村:私ははるのやが気になりました。当時の状態を残しつつ民家を改修し、自然を取り込んでいて雰囲気が良いと思いました。カーテンの生地や金属など、細かい素材選びとその使い方、さらに、屋内へ光の取り込み方が綺麗だと感じました。

新沼:私は蒲田の集合住宅が気になりました。敷地の形状を平面計画に反映していることが図面から、RCのグリッドを上手く利用していることがパースから読み取れました。さらにレベル差もグリッドを利用していて、平面・立面方向それぞれ検討していることがわかりました。

鶴田:私はTAKANAWA CUBEが気になりました。面ではなく、線的な段階的な計画を行っている点が面白いと感じました。空地の所有を曖昧にし、住民による運営を促していることや、雁行型の平面形状で周囲に馴染ませる手法も斬新だと思います。

石川:私は「団地キッチン」田島が気になりました。規模が大きく高齢化が進んでいる田島団地で、一人暮らしにも利用しやすいよう配慮して居場所を作っている事例だと思います。既存の石張りの柱などを残しつつ、内装や開口部を変更してコンバージョンのカフェとして成立させている一方で、大規模な団地の交流の場としては少し足りないのではないかという疑問点が残りました。

五島:私は鎌倉アパートメントが気になりました。屋根でなくファサードに銅の網を使っているのが面白いと思いました。時間経過による色の変化、角度によって変わる網の見え方の変化が鎌倉の景観形成の一躍を担っていると思います。

山田:私は大阪ガス実験集合住宅NEXT21 改修が気になりました。もともとスケルトンインフィル型の住宅として有名だったこともあり興味を持ちました。3つの生活シナリオを提案して、同じ平面でも様々な使い方が想定されいている点で、既存のスケルトンを上手く生かした事例だと思います。外部空間に関しても、街を練り歩くようなシークエンスが面白そうだと思いました。

藤ノ木:私はSCOP TOYAMAが気になりました。誰にでも適した住宅づくりが難しい多様性の時代で、居住者を絞ることは有効な手立てであると共感しました。それにより空間が特徴づけられていることも面白いと思いました。一方で、私的領域であるLDK部分と社会性のある領域である仕事場を同じ空間に位置付けている平面計画に関しては、議論の余地があると思います。

柚木:他に気になった事例はありますか。

鶴田:私も鎌倉アパートメントは気になりました。敷地形状に対する適合だけでなく、銅のファサードという地域に依らず行える操作は、鎌倉で行うことで初めて独自性が生まれるのではないかと考えました。

柚木:そうですね。誰でも行える操作がその場所独自の操作に昇華できていると思います。

柚木高輪台テラスについてはどう思いますか。

山田:元々住宅が4世帯に分割できるほど大きかったことは、コンバージョンにおいて重要だったと思いました。

藤ノ木:玄関も2つあり、選択性を持っていたことなども、今後さらにシェアの形を変え、分節することに繋がるのではないかと思います。

新沼:計画学の研究者の自邸だったからこそ、今の時代のコンバージョンでも成立し得る柔軟性を持っていたのかもしれません。

総括

新しい集住の形を提案している事例が特集され、中でも特にリノベーション事例を中心に特集されていました。リノベーションの事例ではソフト面を、新築の事例では空間形態などのハード面をピックアップしている傾向が見られました。

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