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現代建築レビュー6月号

B4の石井です。2022年9月26日に実施しました、新建築2022年6月号の現代建築レビューを投稿いたします。

末吉:6 月号で気になった建築は何ですか。

高田:私は Senju Motomachi Souko が気になりました。ここでは、人が物を作るという目的を介して、その場の使い方や空間の形態を連続的に変え続けています。その連続性で生まれる建材や床などのストックの循環が倉庫内に留まるのではなく、地域全体で行われているということが面白いと思いました。

金川:私は富岡倉庫が気になりました。実際に訪れた際に、上州富岡という倉庫の最寄り駅が比較的新しい形態であるのに対して正面の倉庫の並び、富岡製糸場までの街並みのように街全体に少しギャップがあると感じていました。そこで隈さんが行った鉄骨の構造材の付け足しや組積造に孔を開けるという操作が昔ながらの形態を残している部分と新しい駅を緩やかに繋ぐのに効果的であり、面白いと感じました。

岡田:私は禅坊靖寧が気になりました。鉄骨造と木造のハイブリット構造のスパンが 3000 と統一感がありつつ、構造の差が感じられる面白い建築だと思いました。また、禅を組むという空間体験に沿うような寸法、外観の工夫が施されている部分にも惹かれました。

山﨑:ハイブリット構造により梁のスパンを飛ばすことができ、空中に木造の大空間が生まれ、「空中禅座道場」を表現していると思いました。特定の方法では不可能なことでも他の方法や要素と組み合わせることで表現の幅を広げている点にこれからの建築の可能性を感じました。

宮川:私は柏崎市庁舎が気になりました。対話のできる第三の居場所というコンセプトに惹かれたのですが、図面からは対話できる居場所やアトリウムまでのアプローチがないことがどのように良い方向に繋がるのか疑問に思います。また建物が休日に閉館しているという部分にもコンセプトに即していないように感じました。

石井:私は満寿美公園が気になりました。住宅群のセミパブリックとなっていた敷地がこの公園によって一気にひらけた空間となっています。この突如現れるフラットな表面や素材に人工物のような異質な感じも覚えつつ、角がないことや都市との連続性に対しては繋がりを持ってかつ体験を鮮やかにしていると感じました。

櫻井:私は谷中の一連のプロジェクトが気になりました。建築が能動的に働きかけることによって地域に残されたストックを積極的に活用し、地域の課題解決や価値の向上を図っており、面白いと思いました。実際にこの一つを訪れたことがあるのですが、街に対して自然にかつ賑わいの創出としても効果的に存在していると感じました。

居城:私は京都御苑の三つの休憩施設が気になりました。空間構成の基本の 3 要素や埋設型の柱脚金物を用いた美しい収まりなど、見た目の統一感と和の印象が細部まで計画されていて、面白いと思いました。気になる点としては、平面図を見ると全てのプランが南北垂直型になっているため広大な敷地においてはより自由な平面計画でも良いのではないかと思いました。

末吉:私は上野東照宮神符授与所が気になりました。曲線上の屋根のデザイン・材料には伐採されてしまうイチョウの木を用いているなど、周辺のコンテクストを建築に上手く落とし込む工夫が見られ、かっこいいと感じました。また静心所と軒先の高さの工夫に身体スケールの細部まで考えられた建築だと思いました。

今回は既存の建物を残す・新しくしていくような事例が多かったと思うのですが。

高田:これから必要になるのはただの改修ではなく付加価値を付けることだと感じ、都市全体でいかにネットワークを構築するかという点で良い事例だったと感じます。

居城:Senju Motomachi Souko 谷中の一連のプロジェクトは地域の工務店・中小企業と連携して街を活性化させているという共通点があり、計画にあたっては重要だと思いました。

末吉:今回上がらなかった JAKUETS 福井本社改修計画に関しては、1 階部分の広場の使われ方という疑問点で
庁舎建築の難しさや人々の対話の空間の在り方など宮川さんの問いにも共通すると思いました。

櫻井:そもそも公共建築や本社のような建築は街と一体化するよりも、近寄りがたい印象を受けてしまうので、建物単体で解決することは難しいと感じてしまいます。

金川:京都御苑の三つの休憩施設のプランに関しては、碁盤の目のような京都のコンテクストに合わせた計画になっているのではないかと感じました。

石井:調べたところ歴史的建造物には鬼門などの方角や風水を用いる考えが背景にあるため、それらに合わせた配置になったと思います。


総括
今回は既存の建物を残していく・永続的に更新していくというような事例が多くありました。その中で建築単体というよりも、街や人との繋がりの中で計画していくことの重要性について再認識できる回となりました。

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