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スイス・オーストリアの中大規模木造建築の設計手法-構造形式と外皮に着目して-

スイス・オーストリアの中大規模木造建築の設計手法-構造形式と外皮に着目して-

M2の早川です。2023年度の修士論文の内容を報告させて頂きます。 序章 研究の概要 0-1.研究の背景  中央ヨーロッパに位置するドイツ,スイス,オーストリアは現代木造建築の先進国である。3国は豊富な森林資源を有しており,100年以上にわたり持続可能な森林管理を行ってきたという共通点がある。また,世界中で森林が減少傾向にある中で森林面積が増加しており,森林管理によって生み出される豊富な土壌を活かして,技術力の高い木造会社,職人が多く存在し活躍している。  1990年代には,専門家らによってこの3国でほぼ同時期にCLT(Cross-Laminated Timber)が開発された1)。これと共に,木材と相性が良い省エネ環境技術が発展したことによりプレハブ技術が普及し,2000年代から現代にかけてはデジファブ技術,施工技術の向上に伴い,エンジニアリングデザイン...

スイス・オーストリアにおける大規模木造建築の設計手法 –構造形式と外皮に着目して-

スイス・オーストリアにおける大規模木造建築の設計手法 –構造形式と外皮に着目して-

修士2年の早川です。修士研究の途中経過を報告致します。 1.研究の背景 1-1.中央ヨーロッパと大規模木造建築の発展 中央ヨーロッパに位置するドイツ、スイス、オーストリアは現代木造建築の先進国である。3国は豊富な森林資源を有しており、100年以上にわたり持続可能な森林管理を行ってきたという共通点がある。各国の森林率はドイツが31.7%、スイスが30.9%、オーストリアが46.7%である。3国は、世界中で森林が減少傾向にある中で森林面積が増加しており、こうした森林管理によって生み出される豊富な土壌を活かして、技術力の高い木造会社、職人が多く存在し活躍している。1990年代には、職人たちによってこの3カ国でほぼ同時期に、同時並行でCLTが開発された。CLTの開発と共に、木材との相性が良い省エネ環境技術が同時期に発展したことによりプレハブ技術が普及し、2000年代から現代にか...

「強化段ボールを用いたパビリオンの設計・開発に関する研究

「強化段ボールを用いたパビリオンの設計・開発に関する研究

学部4年の早川です。2021年度春学期に取り組んだ研究内容について掲載させていただきます。 1.序論 1-1.研究の背景 現在私たちが手にする電化製品、食料品、飲料、青果物、日用品、事務用品、衣料品など日常生活で必要な商品のほとんどは段ボールに包装されている。梱包材として段ボールが用いられるのは、軽量であり商品を迅速かつ安価に輸送・保管できるからだ。中でも強化段ボールは、一般的な段ボールでは運ぶことのできないピアノ、複合機といった重量物を梱包できる材として物流会社によって研究・開発が進められている。また、強化段ボールと似た材料として紙管があげられる。自然災害の多い日本において被災地では坂茂氏が設計した「避難所用・紙の間仕切りシステム(PPS)」が主に用いられているが、強化段ボールを用いることで避難所の照明を防ぐ形態を設計することが可能だと考えられる。さらに強化段ボールは...

現代建築レビュー2月号

B4の早川です。2021年6月15日に実施しました新建築2021年3月号の現代建築レビューを投稿します。 川上(司会):二月号で気になった建築を教えてください。 早川:Hotel Siroは本来中廊下型形式もホテルのプランを外廊下形式にしており、都市に対して個室が開かれたホテルは珍しく興味深かった。また、このプランに至るには敷地面積、形状の要請が関係していると感じた。 柚木:次世代の集合住宅は持続可能な運用方法として老人ホームやシェアハウスへ転用しやすい平面計画が考えられており、今後は再生や転用を考えた平面構成が大事だと感じた。 藤井:リノア北赤羽は日常生活の延長線上、趣味や勉強ができる空間がコモンスペースとなっていて、自分の家の中でもシェアしやすく、地域の人とも関われる空間が魅力的でした。 柳井:大阪ガス実験住宅では内部で土間を持ち込み海外のようになってお...

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