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土で創る 〜更新を繰り返す城ヶ島のアート体験施設〜

土で創る 〜更新を繰り返す城ヶ島のアート体験施設〜

背景 近年実空間で過ごす意味が問い直されているが、その意義は場の小さな変化に気づく楽しさにあると考える。多くの部材や構法、情報が混在した都市空間とは対照的に、1つの素材を用いて建築と都市の間のスケールの建築群を設計することで、それぞれの場所で土という素材がどのように変化し現れるかに気づくことができる新しい回遊体験を作りだす。  2. 設計趣旨  土がどのように現れ人の目に入るかの変化を生み出すための設計方法を取る。敷地は三浦半島南端に位置する城ヶ島のある広場とし土から派生するアート体験を中心とした様々な体験ができる施設を設計することで人々が定期的に訪れる新しい観光要素となることを想定する。  まず敷地内を3つのゾーンに分け、それぞれのゾーンで使う部材、構法、仕上げ、建物と地中の土との関係を一つの視覚的な印象を与えるように統合することで、訪れた人が回遊す...

廃高架の桃農園 ~六次産業による地域再生~

廃高架の桃農園 ~六次産業による地域再生~

図1.全体パース 1.郊外ニュータウン    少子高齢化による影響で郊外のニュータウンの多くは住民が減少傾向にある。愛知県小牧市東部に位置する桃花台ニュータウンもその一つである。桃花台ニュータウンでは住民減少の他にも課題を抱えており、一つは廃線となったモノレールの高架が残っていること、もう一つは特産物の桃を育てる農家が減っていることである。 2.無用化した高架の可能性    桃花台線は営業不振により開業から 16 年もの短い期間に役目を終え、その後高架は撤去にかかったが工事が難航し中途半端に残っているのが現状である。 図2.高架図面 3.農家の後継者不足    高齢化が進むニュータウンで後継ぎを行うことは困難である。 そのため桃花台の名物である桃農家は減少している。この課題を解決するためには若者の力が必要であり、若者が農業に参入するためには従来の...

渋谷のダイナミズムが織りなす仮囲い群の建築化

渋谷のダイナミズムが織りなす仮囲い群の建築化

背景 東京は新陳代謝の激しい都市だ。中でも渋谷の繁華街は特に工事が多い。着工と竣工が際限なく繰り返され、都市現象として絶えずどこかに工事現場が存在している。 しかし、工事現場とその表層を構成する仮囲いは施工期間中の仮の佇まいとしてしか見なされていない。それゆえに仮囲いは、工事現場をブラックボックス化し、都市から隔絶する2次元の境界面である。 設計提案 本設計では、渋谷の都市現象としての終わらない工事、そのダイナミズムを織りなす仮囲い群の建築化を目標とし、他の現場に転用可能なプロトタイプを提案する。商業の街・渋谷で、事業性を生まない工事敷地に商業的用途を与え、3次元の厚みをもった空間として、工事現場と都市・ストリートを繋ぐ中間領域として設計する。 手法としては、クサビ式足場にとりつく既存エレメントの読み替え、エレメントを仲介する新たなエレメントを設計することで...

「集団的相互認識から自分を見つめる」~集団から個人へ還元するまど~

「集団的相互認識から自分を見つめる」~集団から個人へ還元するまど~

1-1 集団への同質化を促す装置から集団の中での自分を見直す装置へJR町田駅と小田急町田駅をつなぐペデストリアンデッキは毎日平均8万8000人が通行し、通勤・通学のラッシュ時には多くの人で溢れかえる。毎日集団の波の中に埋もれ、集団に合わせる、ちょっとした感情をなかったことにするなどの、無意識に集団の中の一部であろうとする心理が繰り返されることで、集団への帰属意識が増幅される空間体験になってしまっている可能性を問題視した。 また、ペデストリアンデッキの上部と下部の地上階はハレとケの関係になっており、町田市議会においてもJRから小田急への乗り換え行為に伴う立ち寄り行動の少なさは問題に挙げられている。 そこで、集団への同質化を促す装置となっているペデストリアンデッキを集団の中での自分を見直す装置へと改修することを提案する。 1-2 自己を認識するまど集団の中での自己を認識するうえで...

里山から生まれる建築ー材料先行型建築で創る持続的な森林環境と地域交流の拠点ー

里山から生まれる建築ー材料先行型建築で創る持続的な森林環境と地域交流の拠点ー

1. 背景 日本には多くの木々が生えているにも関わらず放置されて山は荒廃が進んでいるが、一方で多くの木材を輸入している。地域内で木材の生産から消費までを行うとともに人と山をつなげる場所をつくることで地域の木材の活用を促進するとともに、人と山が互いに助け合うかつての里山のような関係性を現在に適した形で再構築することを考え、鎌倉にある峯山に製材などを行う工場棟とボランティアやハイキングの人々などの交流の拠点となる交流棟を設計した。 2.設計趣旨 近年、林業が儲からないことの解決策として木材生産の場で加工や製品化することで付加価値化をはかる取り組みが行われている例がある。それを参考に本計画では山に工場棟をつくり地域の木材の活用を促し付加価値化をはかるとともに交流棟をつくることで人と山の距離を縮めることを考えた。鎌倉は山の谷に住宅街が入り込み、両者の距離がとても近いがその...

現代建築レビュー4月号

B4の五島です。2023年9月21日に実施しました、新建築2023年4月号の現代建築レビューを投稿します。 新沼:4月号で気になった建築は何ですか。 木村:私は浦河フレンド森のようちえんが気になりました。立体トラスが子供の自由な居場所探しの手助けになるとともに、この形によって遊戯ホールと保育室を緩やかに接続していて魅力的だと思いました。 五島:私は星野神社本殿・覆殿が気になりました。使用した木材すべてを神社の敷地から伐採している点がとてもいいと思いました。伝統技術の継承のための研修の場としても役割も神社のとても重要な役割だと思いました。 鶴田:私は郭巨山会所が気になりました。既存の会所家と土蔵を繋ぐかたちで増築しており、過去にあった建築を、写真などで残すのではなく、建物を残して増築しています。以前からあったものが空間に良い、新しい価値をもたらしている点や、増築して...

現代建築レビュー3月号

B4の木村です。2023年7月10日に実施致しました、新建築2023年3月号の現代建築レビューを投稿します。 柳井:3月号で気になった建築は何ですか。 草山:私は鳥飼八幡宮が気になりました。自分の研究に近いことと、このような新しいものが神社の中に作られていることが面白いと思いました。神聖な場所配置の位置関係もしっかり考えられていると思いました。自分の研究に活かすことができそうです。 鶴田:私は杭とトンガリが気になりました。基礎のことをあまり考えたことがなかったのですが、コンクリートの基礎を塞ぐという考えが面白いです。 山田:私はTAMAKAWA UPCYCLING BASEが気になりました。震災や河川の氾濫から出た古材を資源として捉えて有効活用する取り組みが良いと思いました。できた建物の組石造のようなところに木の梁が接合されていて、対比的です。新しいものと古いもの...

現代の建築模型表現の変遷から見る模型の意義の解明と建築理念との関係-模型の物理的構成と意味性に着目して-

現代の建築模型表現の変遷から見る模型の意義の解明と建築理念との関係-模型の物理的構成と意味性に着目して-

修士2年の柚木です。修士研究の途中経過を報告します。 1.研究の背景1-1-1.建築模型の意義建築模型は設計のスタディからプレゼンまで広く利用されており、その使用目的としても多岐にわたっている。 近年の VR 技術の発展やコロナウイルスによるオンライン化への以降など技術的にも多くの変化が起きている現在において模型の意義を明らかにする必要がある。また建築模型は本来実際の建物を模しているものであり、かつては建築雑誌のようなメディアに取り上げられることも少なかった。しかし1980年代から建築雑誌に模型写真が掲載されることが増えており、日本においては2016年に建築倉庫が模型の保存と鑑賞の場を誕生させたように模型は単にスタディやプレゼンテーションのツールとしてだけではない模型の意義があると捉えることできる。1-1-2.設計意図と多様な模型表現かつて単一の素材を用いた白模型が主流であった模型...

団地のコンバージョンにおける障害と問題点の考察–国内と欧州の団地コンバージョン事例の分析を通じて-

団地のコンバージョンにおける障害と問題点の考察--国内と欧州の団地コンバージョン事例の分析を通じて-

B4の石川です。2023年春学期に取り組んだ研究内容について報告いたします。   0.序章 0-1研究の背景 戦後のマスハウジングにより建設された団地は、建物の老朽化や住民の高齢化、近年では空き家率の増加が問題となっている。当初の団地再生では主に建て替えによるものが多く、これは日本の法体系が新築を前提に考えられていたことや建物の老朽化を一新するのが要因とされている。しかし建て替えとなると環境への負荷や解体での費用が生じることから、リノベーションによる団地再生へと移行している。 0-2研究の目的 近年団地の空き家率が増加傾向にあること、また社会的にも少子高齢化による住宅ストックの増加が見込まれるため、団地コンバージョンでのストック活用に着目する。 UR都市機構では団地ストックの有効活用するため実験的に「ルネサンス計画」を推進している。この計画では団...

JR渋谷駅改良工事中のコンコースにおける空間体験の変化に関する研究

JR渋谷駅改良工事中のコンコースにおける空間体験の変化に関する研究

B4の新沼です。2023年春学期に取り組んだ研究内容について報告いたします。 1.序章 1-1.研究の背景 JR渋谷駅改良工事は、渋谷再開発計画における事業の一つで、2015年9月から全体工事が始まり、2027年に完了が予定されている⻑期にわたる大規模な工事だ。 工事内容は大まかに、線路切替工事(埼京線ホームの移設および山手線ホームの1面2線化)・駅コンコースの拡充・バリアフリー設備の整備・東西自由通路の整備という大きく4つの工事が計画されている。インフラとしての機能を保ちなから工事が進行するため、特に線路切替工事に関しては段階的に行われる。発表当初は4ステップ、現在は追加で5ステップ目が新たに加わり計画されている。工事期間中それぞれの工事とその間のそれぞれの期間において、利用者の通行を妨げないように仮囲いが工事現場を覆い、進行に応じて一般利用者の体験する空間も変...

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