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中庭型の集合住宅の空間配列に関する研究―コモンスペース・境界の分析を通して―

中庭型の集合住宅の空間配列に関する研究―コモンスペース・境界の分析を通して―

B4藤ノ木です。2023年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 第1 章 研究の概要1-1. 研究の背景、目的 熊本県営保田窪第一団地(図1)は山本理顕によって設計された公営団地である。この集合住宅の特徴の一つに図2 のようなパブリックスペース―住戸―コモンスペースの順番で構成された空間配列がある。これは中庭型の集合住宅が敷地の外に対してコモンスペースよりも先に住戸が配置されていることによって成立している。また、この空間配列にすることによりコモンスペースがよりプライバシー性の高い空間となることと、コモンスペースに出なくとも外に出ることができるため、コモンスペースに関わるのか選択性が生まれる。 以上のように中庭型の集合住宅にはその特徴的な空間配列の構成によって、コモンスペースに対して今まで以上にオープンな関係性を築ける可能性があると同時に、選択性のある共...

土木と建築の融合 -神田川に現存する船宿と堤防を対象として-

土木と建築の融合 -神田川に現存する船宿と堤防を対象として-

修士2年の柳井です。修士研究の途中経過を報告致します。 1研究の背景 1-1災害対策で非人間的な土木に埋め尽くされる懸念 近年災害は日常的に起こっている。 1995年   阪神・淡路大震災 2004年   新潟県中越地震 2011年   東日本大震災 2016年   熊本地震 など、地震・津波などの大災害は記憶に新しい。今後もこのような災害に見舞われるであろう。その背景から今後作られる建築は災害対策を施すために土木的な役割が増すことが予想できる。都市的な視点から考えれば防潮堤、ミクロな視点では図1のような擁壁である。このような土木ばかりを重視して都市が埋もれていくと、そこに人の居場所や安らぎの場はなくなってしまう。 1-2土木と建築の分断 都市や地域・地区を社会システムというトータルで広域的な観点から捉え、基盤的な空間・...

研究室創設20周年記念パーティー

研究室創設20周年記念パーティー

2023年3月11日(土)、大河内研究室の創設20周年を記念して、パーティーが開催されました。 20周年記念の集合写真 大河内研究室(建築空間論研究室)は、2002年に誕生し、これまで約180名の修了生・卒業生を送り出してきました。 研究テーマの範囲や卒業生の進路も幅広く、今回の会場にも多方面でご活躍されている様々な方にお集まりいただきました。 SIBAURA HOUSE(妹島和世 設計) 会場は、妹島和世さん設計のSHIBAURA HOUSE! 周辺地域に開かれた空間やガラス張りの独特な佇まいが特徴的でした。 素敵な料理とお酒を手に、世代の垣根を超えて楽しく語らいました。 スクリーンに写真を投影して、研究室の歴史を振り返る 過去の懐かしい写真や、OB・OGの方々のアーカイブを眺めながら、研究室の歴史を振り返りました...

現代建築レビュー8月号

B4の末吉です。2022年10月24日に実施しました、新建築2022年8月号の現代建築レビューを投稿致します。 柳井:8月号で気になった作品を紹介してください。 岡田:私は「COURT HOUSE 自由が丘」が気になりました。これはコーポラティブハウスであり、各々の住戸がL字型になっていて中庭に配置された緑によって集合住宅で重要である、プライバシーに配慮している点が良いと思いました。窓が市松模様になっており、これは建築家主導なのか住民主導なのかが気になりました。 石井:私は「PRISM Inn Ogu」が気になりました。都心で家族や団体で宿泊できる場所が少ないという背景もあり、これは最大9人で宿泊可能なロフト付きホテルとなっています。限られたスペースや制約のある中各々が心地よい場所を見つけることをコンセプトとし、構造躯体がむき出しになっていてそれ自体が内部のプライベート...

現代建築レビュー7月号

B4金川です。2022年10月10日に実施しました、新建築2022年7月号の現代建築レビューを投稿致します。 早川:1人1作品気になった作品を紹介してください。 宮川:私は石川県立図書館が気になりました。この図書館は図書の貸し借りをするだけでなく、地域に開き街の人々に多様な使われ方するように設計されていて面白いなと感じました。 髙田:私は大手町ビルSKYLABが気になりました。この建築は近年着目されつつある高層化された都市ビルの屋上の活用方法について注目しており、既存のビルに対して屋上をワークスペースとして開放した建築です。屋上の緑化による荷重を既存の建築にもかかわらずクリアしているといった点は特に面白いと感じました。 山﨑:私はGallery/Salon Hが気になりました。外観から見ると単なるL字のヴォリュームであるが、内部に入ると曲面が現れ、コンクリートの持...

【koyart2021 未来三浦半島展】

【koyart2021 未来三浦半島展】
先週に続き,展覧会のお知らせです。 明大大河内研で設計,製作した野菜無人販売所のプロジェクトをDesignart Tokyo2021『koyart2021 未来三浦半島展』に出展します。野菜無人販売所の本体は展示しませんが,図面,写真,素材のサンプルなどを展示します。横須賀美術館のイベントに参加できなかった方,ぜひお越しください。 ◉Designart Tokyo2021『koyart2021 未来三浦半島展』 会期:2021.10.27 16:00-18:00    2021.10.28-29 10:00-18:00 会場:代官山ヒルサイドウエスト https://designart.jp/designarttokyo2021/exhibitions/233/  

koyart関連イベントのお知らせ

koyart関連イベントのお知らせ

「koyart」の活動の一環で,私たちの研究室がデザイン・製作を行ってきた野菜の無人販売所が遂に完成しました!このたび,以下ふたつのイベントに出展します!!是非,この機に会場に訪れて下さい。たくさんの来場をお待ちしています! ◉「koyart ~小屋とアートと地域の新鮮野菜に出会う~」 会期 : 2021年10月23日(土)~24 日(日) 会場 : 横須賀美術館 海の広場 時間 : 10:00~18:00 URL :https://www.yokosuka-moa.jp ◉DESIGNART TOKYO 2021「koyart2021・未来三浦半島展」 ⇒こちらは野菜販売所は出展しません。図面と棚のサンプルのみの展示となります。 会期:2021年10月27日(水)~29 日(金) 会場:代官山ヒルサイドテラス サロンウエスト ...

都市環境を構成するエレメント群の集合と接続・切断

都市環境を構成するエレメント群の集合と接続・切断

―横浜市内のバス停留所をケーススタディとして―  B4の池田です。春学期に行った小論文を掲載させていただきます。 序章 研究概要 1-1.研究の背景・目的  本研究の目的は、都市におけるエレメントの接続と切断(3-1.語彙の定義参照)に関する考察である。  都市は様々なエレメントで構成されている。例えば、公園はベンチや遊具、手洗い場や花壇等のエレメントにより構成されている。しかし、各エレメントは必ずしも公園を構成するエレメントであるのみならず、場合によって道路を構成するエレメントにもなり得る。例えば、公園のエレメントある花壇に、道路を歩く人が腰を掛けた場合、花壇 は道路のエレメントである、といえる。このように、都市におけるエレメントとの結びつきは弱く、絶えず変化している。  本研究では、全国各地に設置され、市民の足となるバス停留所に着目する。適切なバス...

建物と道路の境界に関する研究〜塀のデザインの可能性〜

 B4志藤です。2021年度春学期に取り組んだ研究内容について発表いたします。 1.序章 1-1 研究の背景  近年近所付き合いの希薄化が問題となっている。そして、近所間での交流が生まれないことは様々な問題を生じると考えるそれにもかかわらず、都市化が進んだ頃に同時に生まれた核家族化やSNSの普及など様々な理由により、人々との間に距離が生まれてしまっていると言える。  近所間での交流が生まれる場所を考えた時に、家の前が多いと感じた。そして、住宅の内部のデザインはされていても、外部のデザインにも力を入れている住宅は少ないように感じた。そこで、今回は交流が生まれる可能性の高い建物と接道の間の境界に着眼して研究を進めていく。  今回着眼する境界とは建物の内と外の境界ではなく、建物と接道の境界空間である。(≒敷地境界線) 1-2 実情   実際に住宅の境界...

知覚に作用する空間の分類から導く設計手法論に関する研究

知覚に作用する空間の分類から導く設計手法論に関する研究

― 光の芸術家ジェームズ・タレルの作品を対象として ― B4の赤城です。春学期に行った研究について掲載させていただきます。 1-1 研究の背景 昨今では、世界中で建築の光環境は均質化している。日本の伝統的の空間には谷崎潤一郎を用いた「陰翳礼讃」の伝統美があるが、一方で現代の日本建築において陰翳礼讃は姿を消し始めている。  照明器具構造形式特徴光環境西洋シャンデリア煉瓦・ 石造高いところに小さな窓部屋全体に光が行き渡らない為、室内の明暗差が大きい日本行燈・提灯木造大きな間戸光が拡散し、室内の明暗差は小さい  表1 西洋と日本の比較 西洋と日本においては古来から光に対する意識の差が挙げられる。 明と暗の差がくっきりとしている光環境に慣れている西洋人は、暗闇を取り払い、部屋全体を均一に明るくすることに違和感を感じなかった。 反対に、全体...

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