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「集団的相互認識から自分を見つめる」~集団から個人へ還元するまど~

「集団的相互認識から自分を見つめる」~集団から個人へ還元するまど~

1-1 集団への同質化を促す装置から集団の中での自分を見直す装置へJR町田駅と小田急町田駅をつなぐペデストリアンデッキは毎日平均8万8000人が通行し、通勤・通学のラッシュ時には多くの人で溢れかえる。毎日集団の波の中に埋もれ、集団に合わせる、ちょっとした感情をなかったことにするなどの、無意識に集団の中の一部であろうとする心理が繰り返されることで、集団への帰属意識が増幅される空間体験になってしまっている可能性を問題視した。 また、ペデストリアンデッキの上部と下部の地上階はハレとケの関係になっており、町田市議会においてもJRから小田急への乗り換え行為に伴う立ち寄り行動の少なさは問題に挙げられている。 そこで、集団への同質化を促す装置となっているペデストリアンデッキを集団の中での自分を見直す装置へと改修することを提案する。 1-2 自己を認識するまど集団の中での自己を認識するうえで...

里山から生まれる建築ー材料先行型建築で創る持続的な森林環境と地域交流の拠点ー

里山から生まれる建築ー材料先行型建築で創る持続的な森林環境と地域交流の拠点ー

1. 背景 日本には多くの木々が生えているにも関わらず放置されて山は荒廃が進んでいるが、一方で多くの木材を輸入している。地域内で木材の生産から消費までを行うとともに人と山をつなげる場所をつくることで地域の木材の活用を促進するとともに、人と山が互いに助け合うかつての里山のような関係性を現在に適した形で再構築することを考え、鎌倉にある峯山に製材などを行う工場棟とボランティアやハイキングの人々などの交流の拠点となる交流棟を設計した。 2.設計趣旨 近年、林業が儲からないことの解決策として木材生産の場で加工や製品化することで付加価値化をはかる取り組みが行われている例がある。それを参考に本計画では山に工場棟をつくり地域の木材の活用を促し付加価値化をはかるとともに交流棟をつくることで人と山の距離を縮めることを考えた。鎌倉は山の谷に住宅街が入り込み、両者の距離がとても近いがその...

現代建築レビュー4月号

B4の五島です。2023年9月21日に実施しました、新建築2023年4月号の現代建築レビューを投稿します。 新沼:4月号で気になった建築は何ですか。 木村:私は浦河フレンド森のようちえんが気になりました。立体トラスが子供の自由な居場所探しの手助けになるとともに、この形によって遊戯ホールと保育室を緩やかに接続していて魅力的だと思いました。 五島:私は星野神社本殿・覆殿が気になりました。使用した木材すべてを神社の敷地から伐採している点がとてもいいと思いました。伝統技術の継承のための研修の場としても役割も神社のとても重要な役割だと思いました。 鶴田:私は郭巨山会所が気になりました。既存の会所家と土蔵を繋ぐかたちで増築しており、過去にあった建築を、写真などで残すのではなく、建物を残して増築しています。以前からあったものが空間に良い、新しい価値をもたらしている点や、増築して...

現代建築レビュー3月号

B4の木村です。2023年7月10日に実施致しました、新建築2023年3月号の現代建築レビューを投稿します。 柳井:3月号で気になった建築は何ですか。 草山:私は鳥飼八幡宮が気になりました。自分の研究に近いことと、このような新しいものが神社の中に作られていることが面白いと思いました。神聖な場所配置の位置関係もしっかり考えられていると思いました。自分の研究に活かすことができそうです。 鶴田:私は杭とトンガリが気になりました。基礎のことをあまり考えたことがなかったのですが、コンクリートの基礎を塞ぐという考えが面白いです。 山田:私はTAMAKAWA UPCYCLING BASEが気になりました。震災や河川の氾濫から出た古材を資源として捉えて有効活用する取り組みが良いと思いました。できた建物の組石造のようなところに木の梁が接合されていて、対比的です。新しいものと古いもの...

現代の建築模型表現の変遷から見る模型の意義の解明と建築理念との関係-模型の物理的構成と意味性に着目して-

現代の建築模型表現の変遷から見る模型の意義の解明と建築理念との関係-模型の物理的構成と意味性に着目して-

修士2年の柚木です。修士研究の途中経過を報告します。 1.研究の背景1-1-1.建築模型の意義建築模型は設計のスタディからプレゼンまで広く利用されており、その使用目的としても多岐にわたっている。 近年の VR 技術の発展やコロナウイルスによるオンライン化への以降など技術的にも多くの変化が起きている現在において模型の意義を明らかにする必要がある。また建築模型は本来実際の建物を模しているものであり、かつては建築雑誌のようなメディアに取り上げられることも少なかった。しかし1980年代から建築雑誌に模型写真が掲載されることが増えており、日本においては2016年に建築倉庫が模型の保存と鑑賞の場を誕生させたように模型は単にスタディやプレゼンテーションのツールとしてだけではない模型の意義があると捉えることできる。1-1-2.設計意図と多様な模型表現かつて単一の素材を用いた白模型が主流であった模型...

団地のコンバージョンにおける障害と問題点の考察–国内と欧州の団地コンバージョン事例の分析を通じて-

団地のコンバージョンにおける障害と問題点の考察--国内と欧州の団地コンバージョン事例の分析を通じて-

B4の石川です。2023年春学期に取り組んだ研究内容について報告いたします。   0.序章 0-1研究の背景 戦後のマスハウジングにより建設された団地は、建物の老朽化や住民の高齢化、近年では空き家率の増加が問題となっている。当初の団地再生では主に建て替えによるものが多く、これは日本の法体系が新築を前提に考えられていたことや建物の老朽化を一新するのが要因とされている。しかし建て替えとなると環境への負荷や解体での費用が生じることから、リノベーションによる団地再生へと移行している。 0-2研究の目的 近年団地の空き家率が増加傾向にあること、また社会的にも少子高齢化による住宅ストックの増加が見込まれるため、団地コンバージョンでのストック活用に着目する。 UR都市機構では団地ストックの有効活用するため実験的に「ルネサンス計画」を推進している。この計画では団...

JR渋谷駅改良工事中のコンコースにおける空間体験の変化に関する研究

JR渋谷駅改良工事中のコンコースにおける空間体験の変化に関する研究

B4の新沼です。2023年春学期に取り組んだ研究内容について報告いたします。 1.序章 1-1.研究の背景 JR渋谷駅改良工事は、渋谷再開発計画における事業の一つで、2015年9月から全体工事が始まり、2027年に完了が予定されている⻑期にわたる大規模な工事だ。 工事内容は大まかに、線路切替工事(埼京線ホームの移設および山手線ホームの1面2線化)・駅コンコースの拡充・バリアフリー設備の整備・東西自由通路の整備という大きく4つの工事が計画されている。インフラとしての機能を保ちなから工事が進行するため、特に線路切替工事に関しては段階的に行われる。発表当初は4ステップ、現在は追加で5ステップ目が新たに加わり計画されている。工事期間中それぞれの工事とその間のそれぞれの期間において、利用者の通行を妨げないように仮囲いが工事現場を覆い、進行に応じて一般利用者の体験する空間も変...

路上ライブにおける劇場空間としての見立てに関する研究

路上ライブにおける劇場空間としての見立てに関する研究

B4の木村です。春学期に取り組んだ研究内容について報告します。 序章 研究概要 1-1研究の背景 路上ライブはパフォーマーにとって、気軽にまちの人々へ演奏を届けられる場所である。そして、ライブハウスなどの決まったステージでパフォーマンスを行うのではなく、パフォーマー自身が都市の中で場所を見つけてパフォーマンスを行なっていることが、路上ライブの大きな特徴である。ライブ場所では、一過性(テンポラリー)の劇場空間が生まれている。本来ライブ場所として作られたわけではない都市空間を、ライブパフォーマーは劇場空間として見立てて、パフォーマンスを行なっているのではないか。ライブパフォーマーはどのような空間の見立てを行なっているのだろうか。 1-2 研究の目的 路上ライブの行われている場所について調査し、客観的な分析とパフォーマーへのヒアリング調査から、都市の中で...

鎌倉峯山エリアにおける小規模林業の可能性とその検討―森林資源を生かした地産地消建築の創造に向けて―

鎌倉峯山エリアにおける小規模林業の可能性とその検討―森林資源を生かした地産地消建築の創造に向けて―

B4の五島です。2023年春学期に取り組んだ研究内容について報告いたします。 1. 研究の概要 1-1. 研究の背景 鎌倉は豊かな自然や都会へのアクセスの良さなどから住宅地としての人気が高く、昭和35年頃から行われた宅地造成によって多くの緑が失われた。風致・歴史・植物学などの視点から見ても価値のある鎌倉の緑を守ろうとたくさんの人が反対運動を起こし、古都保存法など様々な法律や条例が定められて現在まで多くの緑が守られてきた。しかしその緑は現在手つかずの状態で荒廃し、倒木や土砂崩れなどのリスクが高くなっている。森は適度に人の手が加わり循環することで健全な状態を維持することができる。林業の持続可能な在り方を考え、日本に存在する貴重な資源である木材を有効に使い森林を循環させる必要がある。日本はかつて里山を多様に活用しながら共存してきたがその文化は薄れ、多くの人が里山と切り離された...

熱可塑性を持つ素材の分析と建築への採用可能性

熱可塑性を持つ素材の分析と建築への採用可能性

学部4年の鶴田です。春学期の小論文の成果について報告します。   はじめに0-1. 研究の背景 現代ではSNSやVR等のデジタル技術の発展により擬似的な空間体験が可能になっている。また建築は基本的に強固で動かないものと考えられていることから、建物の形態が変化することの可能性を模索しながら、実空間で人が過ごすことの意味を再度考える必要があるように思う。0-2. 研究の目的 人が建築の形に影響を与えるとどうなるのかという疑問から物質が変形する性質の中でも、熱によって物質が柔らかくなり冷えると固まる熱可塑性に着目する。人の体温による変形によって触った形跡が形として残ることや、気温といった外部環境によって素材の形状に変化が出ることがどのような可能性を持っているのかを考察する。 0-3. 研究の位置付け 先行事例として建築の一部または全体が動く可動機構や、柔らかい素材を使った建築事例を...

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